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最期の旅立ち


あの日、あの時、

ろっきはどうして逝かなかったのだろう。


お昼の営業が終わってひと段落、休憩時間。

おやつにアイスをひと口食べて
お水も自分で少しだけ飲んだ。

その直後、急に息遣いがおかしくなった。

私は、ろっきは今日逝くかもしれない…。

そんな予感がしていた。

急いで2階にいるおばあちゃんを呼んで

もしかしたら…
ろっきは逝ってしまうかもしれない。

みんなでお別れしようと言った。


今まで本当によく頑張ったね。

ろっき、ありがとう。
ありがとう。ありがとう。

ろっき、大好きやよ。

みんなでお別れの言葉を言った。


そのまま逝ってしまうかと思ったけど

しばらくすると息がだんだん落ち着いてきた。



それでも、私たちには分かっていた。

ろっきは今日と決めていると。



おしっこさえ出たら、

このまま家で逝かせてやりたいと思った。

今までも危ない状態の時が何度もあったので

もしも違ったら…

このまま獣医さんに行かずにいたら

ろっきを苦しませて逝かせてしまいたくない。

そんな思いもあって

いつものように獣医さんへ。



車の中で逝ってしまわないかと心配だったので

私も後部座席でろっきの様子を見ていた。


何事もなく獣医さんに着いて

待合室で待ってる間も

椅子に座らずにろっきのとなりで床に座って

ろっきをずっと撫でていた。


病院で逝ってほしくないな。

お家まで頑張れるかな。

そんなことを考えていた。



そのうち、昼間と同じように急変したので
すぐに診察室へ。

診察台に乗せると…



ろっきは先生の顔を見た後

静かに静かにスーッと逝ってしまった…。

時間にすると1分もかからなかったと思います。



先生は蘇生はしません。

もし戻ったとしても2、3時間。
可哀想だから。

このまま逝かせてあげたほうが 
いいですね。

この子は一瞬たりとも
苦しんでいませんよ。

最期に私にお礼が言いたかったんですね。
本当に賢い子ですねって。

先生はすぐにそう言って下さいました。



ろっき、先生にお礼が言いたかったから

あの時、逝かなかったの?


この4カ月間、

毎日毎日、1時間かけて 

ろっきを診て下さった先生。

導尿がどんなに大変か私たちは知ってる。

腰の手術を去年したばかりの先生。

床に何度も何度も座り直してた。

思わず、私たちが変わりましょうか?って
言いたくなるくらい。


洗浄のために液とお薬を入れてまた導尿。

全て終わるのに40分ぐらいかかる。

ろっきはどんなに身体が楽になっただろう…。


最期まで丁寧に治療して下さいました。

先生には感謝しても感謝しきれないくらい

ほんとうに頑張って下さいました。

ろっきはそんな先生にありがとうが
言いたかったんだと思います。


お家で家族みんなで見送ってあげたかった。

だけどあの時逝かなかったのは
ろっきの意思だったんだと

その時、心からそう思えました。


ろっきは自分の最期をちゃんと
決めていたんだね。

ろっきはやっぱりすごいなぁ…。

こんな最期の旅立ち考えてるなんて。

とーちゃんとかーちゃんの自慢の子だよ。


とーちゃんとかーちゃんは

それまで何度も何度も

いっぱい抱きしめて

いっぱい名前呼んで

いっぱいありがとうを言ってるから

もう言い残したことはないよ。



お世話になった先生と看護婦さんに

お礼が言えてよかったね、ろっき。

看護婦さんもろっきのために
涙を流してくれていました。




身体をきれいにして下さってる時に

「ろっきくん、果物好きでしたか?」と先生。

「大好きでしたよ。」私たち。


先生はろっきに梨を持って帰って

あげて下さいって。

その梨をお店の常連さんに

ろっきの供養にみなさんに食べて 
もらって下さいって。

この子がそう言ってるからって。








先生と看護婦さんが身体をきれいにして下さって

その夜はお箱に入れずに連れて帰りました。


おばあちゃんがショックを受けるといけないので

帰る途中でろっきが亡くなったことを告げると

電話口で泣いているのが分かりました。


家に戻ると、もう動かなくなったろっきを

いつもの場所に寝かせて。

おばあちゃんは、まだ温かいろっきの身体を何度も撫でながら

ろっきの心臓まだ動いてるみたい。

名前を呼べば起きてきそうだねって。


ろっきは逝ってしまったことが信じられないくらい

穏やかなお顔をしていました。




その夜は、いつものように

とーちゃんとかーちゃんと一緒に過ごしました。



眠れないのでぼーっとしながら

あ、寝がえりする時間だ、そう思った瞬間、

もう寝がえりしなくていいんだ…。

なんだか…急に寂しくて泣けてきた。


朝までずっとずっとろっきの身体を撫でていました。

まだ温かかった身体がだんだん冷たくなって

硬直が始まるのを感じた。

これが死というものなんだな…。










次の日の朝9時30分頃、先生から電話が。

「今からろっきくんの硬直した身体を柔らかくしに行きますから。」

診察前にわざわざうちに寄って下さいました。

昨夜は獣医さんではまだ硬直が始まっていなかったから。

関節を柔らかくしておかないと

棺に身体が入らない場合もあるのだそうです。


こんなにしてもらってありがたいね、ろっき。

だから、最期に先生にありがとうが言いたかったんだね。



その日はお仕事を休むつもりでした。

でも、ろっきはお店のお客さんに可愛がってもらったから

そんな人たちにお礼を言ってほしいって

とーちゃんとかーちゃんにろっきが伝えてきたから。


ろっきが歩けなくなったとき、脚のお守りをくれた常連さん。

私がぎっくり腰で運べなくて、お店が終わるまで残っててくれて

獣医さんに行くのに、ろっきを車に担架で運ぶのを手伝ってくれた常連さん。

お店に入って注文する前に先にろっきに声をかけてくれて

いつもの場所で寝ているろっきをいっぱい撫でてくれた常連さん。



ろっきの最期のお顔を見てもらって

先生に頂いた梨も食べて頂いて。

ろっき、これでいいんだよね。





お店のお客さんだけではなく

megたん、雪ちゅん、由さん、ととこさん、ぴよちゃん、

ハナ母さん、フィオママさん、トリミングのお姉さん、

ろっきにお別れに来てくれて、お花を手向けてくれて

本当に本当にありがとう。

人が大好きなろっきだから

たくさんの方にお別れに来てもらって、きっと喜んでいるよ。


夜の営業を終えて、最後の獣医さんへ。

ろっきをもう一度きれいにして下さってお箱に入れて

先生の方でお花を用意して下さって

私たちと一緒にスタッフの皆さんと先生もお花を手向けて下さいました。


お家に戻って

ろっきの大好きな宝物も一緒に。


ぶるーなさんから毎年頂く黄桃。

最後の1個が食べれなかったけど、

お棺の中に入れるために取っておいたんだね(笑)

毎朝、食べていたバナナと

母からもらったメロンと高級お肉と(笑)

先生から頂いた梨と

Megたんから悪戯して奪いとったタオルと

ろっき、タオル好きだったもんね(笑)

お気に入りのぬいぐるみと

ご飯食べるときに滝のようなおよだが出るので

riku*さんのところのよだれかけも。

最後まで好きだったカステラと

歩けた頃、愛用してたちあきさんのリードと

テニスコートの草むらでよく拾ってきたボールと

フォロワーさん代表のいけさんからもらったご長寿の表彰状と

3人で写った写真がないって言ったら、常連さんが撮ってくれた。

たった一枚のツリーショット(笑)


棺の中にはいりやママと雪ちゅんと由さんのお花も

一緒に入れさせてもらったよ(^^)



かーちゃんからろっきへの最後の手紙。

内容はふたりだけの秘密。




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by rokey-gr | 2011-10-02 23:42
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